プロ野球審判になるまでの道のり:詳細ガイド

野球

こんにちは。子どもの頃、私は野球に夢中で、毎日のように近所の公園や空き地で友だちと集まっては、バットとボールを手にプレーしていました。その中でも、順番に交替で審判を務めるのが、私たちのルール。打者と投手だけでなく、審判も「誰がやるか」で盛り上がる重要な役割でした。特に、テレビで観たプロ野球の審判の動きや声を真似して、「ストラーイクッ!」と叫ぶのが楽しくて仕方ありませんでした。まるで自分が本物の審判になった気分で、一球一球に全神経を集中させていたのを、今でも鮮明に覚えています。

そんな憧れの対象でもあったプロ野球の審判たち。実際に球場で彼らの仕事ぶりを観察してみると、想像以上にハードで、緊張感あふれる現場であることがわかります。試合中はもちろん、試合前の準備や終了後の後処理、さらには観客や選手、コーチとの対応まで、多岐にわたる業務をこなしているのです。観戦中にふと目を向けると、ベンチでゆっくり休む時間もなく、常にグラウンド内を行き来しながら次のプレーに備えている彼らの姿に、思わず感心させられます。

今回は、そんな「プロ野球審判」の仕事について深掘りし、「どうすれば審判になれるのか?」という道のりから、気になる給料事情、そして日々どんな業務をこなしているのか、さらに海外、特にメジャーリーグ(MLB)のアンパイアはどんな環境で働いているのかまで、詳しくご紹介していきます。

それでは、プロ野球審判になるための手順を一緒に見ていきましょう。

日本プロ野球審判への道:基本から詳細まで

日本のプロ野球界で審判になるための公式ルートは、「NPBアンパイアスクール」の修了です。これが現在、プロ野球審判になる唯一の方法とされています。

しかし、2012年までには他のルートも存在していました。それには、引退したプロ野球選手の採用、アマチュア審判員(例えば大学野球や高校野球の審判)のスカウト、さらには一般公募による採用などが含まれていました。

では、なぜアンパイアスクールを通る方法に限定されたのでしょうか?主な理由は「競争を促進し、審判の質を高めるため」です。この日本の制度は、メジャーリーグベースボール(MLB)の厳格なアンパイア養成制度を模範にしています。

アンパイアスクール

このアンパイアスクールの詳細について見てみましょう。訓練の様子を映した30秒間の動画を見ることから始めます。審判たちが野球に対して真剣に取り組んでいる様子が垣間見えます。

2013年から始まったこの制度では、毎年12月中旬に7日間のトレーニングが行われます。このトレーニングには、グラウンドでの実技指導と、ホテルの会議室での座学が含まれています。

受講資格は、高校を卒業した人(その年の3月に高校を卒業予定の人も含む)です。アンパイアとしての契約には3種類あり、NPB契約では1軍と2軍の試合に、育成契約では2軍の試合に、研修契約では国内の独立リーグでの研修が行われます。このシステムは、段階的に昇進していく構造で、競争を促進するための仕組みが取り入れられています。

さらに、プロ野球選手としてのキャリアに成功しなかった選手にとっても、新たなキャリアの選択肢となっています。

過去の採用実績を見ると、毎年数名が選ばれています。たとえば、2014年度は4名、2015年度は4名、2016年度は3名、2017年度は4名が採用されています。アンパイアスクールの定員は65名で、合格率は約6%となっており、非常に競争が激しいことが分かります。

最後に、アンパイアスクールを卒業し、NPBで審判として活躍する人々の給料に関しても調査しました。

プロ野球審判の給与を徹底解剖――実態と苦労に迫る

審判の給与

プロ野球の審判の給与は、一般に予想されるよりも控えめです。審判が受け取る具体的な給料について見てみましょう。

審判は、彼らが必要とする道具を自己負担で購入し、年収の約30%がこれらの経費に使われます。加えて、55歳で定年を迎えることと、退職金がないのも特徴です。

これらの条件を鑑みると、プロ野球審判の生涯で得られる賃金は、平均的なサラリーマンと比較しても低い場合があることがわかります。

◆ 年収の内訳――月給+手当のリアル

プロ野球審判の月給はおおよそ30万〜50万円程度から始まり、経験や地位によって徐々に上昇します。10年以上のベテラン審判であれば、月額60万円以上になるケースもあります。また、審判にも階級があり、1軍で活躍する主審クラスの審判と、2軍中心の審判とでは年収に大きな差があります。

シーズン中は遠征や長時間勤務が常態化するため、日当や出張手当が支給されますが、それでも年間のトータル年収は600万〜800万円程度にとどまります。一方で、ポストシーズンに出場する場合は、1試合あたり10万円前後の特別手当が支給されるため、選ばれた審判は年収を増やすことができます。

◆ 経費の現実――自己負担の詳細

審判が使用する道具類の費用をもう少し詳しく見てみましょう。

  • 審判用マスク:3万円前後
  • プロテクター:5万円〜10万円
  • シューズ(防球仕様):2万円〜3万円
  • ユニフォーム一式:数万円
  • 雨具・バッグなど:合計で10万円以上

これに加え、消耗品や定期的なメンテナンス費用を含めると、年間で30万円以上は道具に費やすことになります。さらに、遠征先での食費や雑費も自己負担となる場合があり、可処分所得はかなり圧迫されます。

◆ 55歳定年――その後のキャリアは?

審判の定年は55歳。退職金制度がないため、定年までに十分な蓄えをしておくことが求められます。一部の審判は、引退後に解説者や審判指導員、アマチュア審判団体の指導者などに転身しますが、そのポジションには限りがあります。安定した収入源を確保するには、引退後も働き続ける必要がある場合が多いのです。

◆ MLB審判との比較――年収は倍以上!?

一方、メジャーリーグ(MLB)の審判は、日本とは大きく異なる待遇を受けています。MLB審判の年収は初年度で約15万ドル(約2,000万円)、ベテランになると40万ドル(約5,000万円)以上に達することもあります。さらに、道具類はリーグが支給し、出張費や宿泊費も全額カバー。加えて、健康保険や退職金制度も完備されており、長期的に見ても安心して働ける環境が整っています。

この差は、野球の市場規模や放映権料、スポンサー収入などに起因していますが、「同じ仕事をしているのに待遇はここまで違うのか」と驚かされるほどの格差です。

◆ 審判の生活――野球への情熱が支える

審判は、シーズン中の生活が非常にタイトです。週6日の勤務が当たり前で、1日平均10時間以上グラウンドに立ち続けることも珍しくありません。精神的にも体力的にも過酷な環境ですが、それでも審判を目指し、続ける人たちは「野球が好き」という情熱に突き動かされています。

あるベテラン審判はこう語ります。

「給料や待遇だけで言えば、楽な仕事はたくさんあります。でも、自分がジャッジしたプレーで試合が動き、観客が湧く――その瞬間に立ち会えるのは、この仕事の醍醐味です」

まさに、スポーツの「影の主役」として、誇りを持って日々の業務に向き合っているのです。

プロ野球審判の業務内容

プロ野球審判の日常はどのように進行するのでしょうか?

シーズンは2月1日から10月下旬まで続きます。春季キャンプが2月1日に始まり、審判たちは各チームのスケジュールに合わせて業務を開始します。そして、ペナントレースが10月上旬に終わるとシーズンオフに入ります。

1試合あたりの審判の数は5人が一般的です。ペナントレース中、1試合につき5人の審判がそれを担当します。彼らは自宅や球場近くのホテルから試合に出向き、2試合から3試合を通常は担当します。

審判のローテーションは以下のようになります:球審→控え→1塁塁審→2塁塁審→3塁塁審。球審を務めた翌日は休息を取るために控えとなり、その後1塁、2塁、3塁の塁審を順に担当します。

審判は試合開始の約2時間前に球場に到着し、試合終了後の約2時間後に帰宅するため、実質的に8時間の勤務時間となります。

最後に、野球の発祥国であるアメリカのメジャーリーグベースボール(MLB)のアンパイア制度についても触れてみましょう。

MLBアンパイアの選考とNPB審判システムの詳細

メジャーリーグベースボール(MLB)でアンパイアになるための選考プロセスは、非常に厳しいものです。審判学校には毎年約150人が入学しますが、その中から卒業できるのはわずか約20人に過ぎません。これがMLBアンパイアになるための最初のステップです。

アメリカには、以下の2つの主要な審判学校があります。

ジム・エバンズ審判学校(フロリダ州キシミー)

ハリー・ウェンデルステッド審判学校(フロリダ州オーモンドビーチ)
これらの学校から卒業した約20人の生徒は、ルーキーリーグでアンパイアとしてのキャリアをスタートさせ、1A、2A、3Aを経て、最終的にはMLBへの昇格を目指します。しかし、各レベルでの高い評価がなければ、MLBへ到達することはできません。

特に注目すべきは、ルーキーリーグと1Aではアンパイアが2人だけで試合を運営することです。これにより、アンパイアはストライクやボールの判定、アウトやセーフの決定、さらには盗塁の場面でも判断を求められます。

日本のプロ野球界

一方、日本のプロ野球界では、審判になるためにはアンパイアスクールの修了が必須です。このスクールは毎年12月中旬に7日間開催され、高卒以上が受講資格を有します。日本プロ野球の審判の年俸は最低でも350万円からスタートします。

MLBのアンパイア学校と日本プロ野球(NPB)が提携して相互に学び合えば、日本の審判の質もさらに向上することでしょう。

本記事を通じて、プロ野球審判の世界についての理解を深めることができたと思います。他の野球関連の記事も是非チェックしてみてください。今回はこれで終わりです。最後までお読みいただきありがとうございました。