アメリカのプロリーグでの活躍により、野球が子どもたちの間でも再注目を浴びています。このスポーツは、その長い歴史を通じて、さまざまな世代に愛され続けてきました。
今回は、家族や友人とのおしゃべりで話のネタになるような、野球にまつわる興味深いトリビアを10個ご紹介します。これらの話題は、あなたを「なるほど、知ってるんだね!」と感心させ、子どもたちからも尊敬のまなざしを向けられるかもしれません。
ただ、トリビアを話すときは、周りが感じる不快感に注意しましょう。知識を披露するのもほどほどに、楽しくトリビアを共有しましょう!
意外と知らない?野球に隠された面白トリビア10選!
1839年に起源を持つ野球は、初期には21点を先に取ったチームが勝つというシンプルなルールでした。このルールのもとでは、試合の時間が定まらず、特に試合後の宴会の準備を担当する料理人たちは、試合の結果が読めないために困難を抱えていたと言われています。
そんな中、1845年にニューヨークのニッカボッカーズチームのシェフたちの提案により、試合時間を明確にするためイニング制が採用されました。
では、なぜイニング数は9なのでしょうか?これは、当時のアメリカ社会で広く使われていた12進数システムの影響を受けていると考えられています。12の3分の4、つまり9が採用されました。面白いことに、野球のストライクやアウトが3回であるのも、この12進数システムから来ている可能性があります。一方、ボールカウントが4回なのは、それが後から追加されたルールだからです。
9イニング制が定着した具体的な理由は定かではありませんが、当時は試合自体よりも、試合後の交流が重要視されていたため、「12イニングは長過ぎる」という意見が取り入れられたのかもしれませんね。
球場ごとにサイズが異なる理由とは?
野球ではダイヤモンドの形は明確に定められていますが、外野フェンスやファウルグラウンドのサイズについては、最低限の基準しか設けられておらず、球場によって大きさが異なります。この背景には、野球の発祥とアメリカの球場建設の歴史が関わっています。
野球が始まった当初、広大な自然の野原を使ってプレイされていたため、外野の範囲も自然の地形に左右されていました。例えば「林の端まで」や「道路まで」といった具合です。このため、初期の野球場は外野のサイズに一貫性がありませんでした。
アメリカでプロ野球が本格的に始まると、都市の一角が球場として利用されることが多くなりました。これらの土地は通常、ストリートとアヴェニューに囲まれた四角形で、ここにダイヤモンドと観客席が設けられ、外野の境界は道路や他の境界と隣接する金網で設定されました。したがって、球場のサイズはその区画の大きさに依存し、地域の都市構造や位置によって異なるため、外野フェンスの距離にもバラつきが生じました。
時間が経過し野球が人気スポーツとなると、スタンドの拡張や郊外への移転が行われるようになりましたが、それでも外野フェンスやファウルグラウンドのサイズに一貫性を持たせることはされず、結果として各球場ごとに個性的な特徴が形成されていきました。
監督も選手と同じユニフォームを着る理由
多くのスポーツでは監督がスーツを着用するのが一般的ですが、野球では監督も選手と同じユニフォームを身にまとっています。これは野球の歴史初期に根差した慣習によるものです。
野球が誕生した当初、チームを率いる「監督」という役職は存在せず、キャプテンがチームの指導を担っていました。キャプテンは実際に試合に出場するプレーヤーでもあったため、ユニフォームを着用していました。その流れが現代に至るまで続き、今も監督がユニフォームを着用する習慣が残っています。
日本プロ野球では選手としても監督としても活躍した例があります。
ただし、この慣習には例外もあります。例えばメジャーリーグのとある監督は、選手としての活躍後、50年以上にわたって監督を務め、スーツと帽子をトレードマークにしていました。ユニフォームが彼に似合わなかったため、自身のスタイルに合わせた装いを選んだとされています。
エースナンバー「18番」の由来
野球における「18番」はエースナンバーとして特別な意味を持っていますが、その理由には複数の説が存在します。
一説には、歌舞伎で演者が得意とする演目を「歌舞伎十八番」と呼ぶことから、得意なことを示す「十八番」という表現が野球界にも取り入れられ、「18番」がエースを示すようになったとされています。また、巨人軍の名投手が18番を背負っていたことから、この番号が「エース」の象徴として広く認識されるようになったという説もあります。
他球団にもそれぞれ独自のエースナンバーが存在しますが(中日は「20」、横浜は「17」など)、これら名投手の活躍により「18」はエースピッチャーを象徴する番号として一般的に認知されているのです。
「アンパイヤ」という呼称の由来は?
審判を指す際に使われる「レフェリー」と「アンパイヤ」という言葉には、それぞれ意味があります。
一方、
メジャーリーガーが試合中に口にしているものは?
メジャーリーグの試合中、選手が口から吐き出しているものは、実は唾ではなく「ヒマワリの種」であることが多いです。ヒマワリの種は、アスリートにとっては理想的なスナックのようで、ヒマワリの種を口にする選手が増え、今やその姿は野球の一部として定着しています。
1. なぜヒマワリの種なのか
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健康的で栄養価が高い
ヒマワリの種 100 gには、良質なたんぱく質(約 21 g)、ビタミン E、鉄分、マグネシウムなどが豊富に含まれ、長時間の試合で失われがちなミネラルを補える“天然サプリ”です。 -
集中力とリラックス効果
殻を噛んで割り、舌で実だけを選り分け、殻を吐き出す――この単純作業が“手持ち無沙汰”と緊張を同時に緩和し、反応速度と判断力を高めると選手は語ります。 -
フレーバーの多様化
1980 年代に DAVID Seeds がクラブハウスへ大量提供したことを機に定着。現在はBBQ、ランチ、ディルピクルスなど20種類以上のフレーバーがあり、試合前に「今日はどの味にする?」と盛り上がるのも日常です。
2. ガム文化と“バブルガム・バケツ”
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MLBベンチには直径30 cmほどの Dubble Bubble バケツが常備され、ホームラン後にガムで“花輪”をつくって祝うチームもあります。
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ガムは殻よりゴミが少なく、唾液を促すので喉の渇きを抑える副次効果があります。
3. 噛みタバコからの脱却――リーグ規制の流れ
年 | 主な出来事 | 概要 |
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2011 | サンフランシスコ市条例 | ボールパーク内での無煙タバコ禁止の先駆け |
2016 | MLB‐MLBPA労使協定 | 新人選手の噛みタバコ全面禁止が明文化される |
2022 | 全30球場で事実上全面禁止 | スタジアム従事者・観客も対象 |
タバコ使用率の低下とともに「口が寂しい」需要を満たす代替品としてヒマワリの種がさらに広がりました。近年は ニコチン・パウチ を利用する選手もいますが、リーグは健康リスクへの注意喚起を続けています。
4. マナーと環境対策
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掃除の手間:殻は生分解性とはいえ大量に散らばると滑りやすくなるため、ベンチ裏には“シェル・バケツ”が置かれ、クラブハウス担当者が毎回清掃。
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COVID-19 ガイドライン:2020年の再開プロトコルでは「フィールドでの殻の吐き出し禁止」が盛り込まれ、一時的に“ノーシード”の試合もありました。
5. 選手たちのこだわりとエピソード
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フレディ・フリーマン(ドジャース):一度に袋半分を頬張り、守備位置に就く前に殻だけを巧みに吐き出す“シード・ファウンテン”で有名。
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ブライス・ハーパー:ホームラン後、チームメイトからヒマワリの種“祝砲”を浴びるのが恒例。
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投手の儀式:球数が増える中盤、サイン交換の合間に1粒だけ割り「ゾーン」を整える選手も。
6. 日本プロ野球(NPB)との比較
NPBではガム派が多く、ヒマワリの種を扱う球場売店はまだ少数派。しかし近年はMLB帰りの選手や留学経験者が“差し入れ文化”として持ち込む例が増え、ウエスタン・リーグのベンチで種を吐く姿も見られるようになりました。
7. まとめ
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ヒマワリの種は「健康・集中・時間つぶし」を同時に満たす万能スナック。
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タバコ規制強化が代替需要を後押しし、ガムと並ぶ「野球の風物詩」へ。
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マナーと掃除が課題だが、リサイクル可能な殻回収袋など新サービスも登場。
次にMLB観戦へ行く機会があれば、スタンドでヒマワリの種を試しつつ、選手たちの“シードさばき”にも注目してみてください。
外国人選手の背番号選択の傾向と意味
1.背番号はどう決まるのか — 大前提
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球団ごとの慣習
1~40番台は元々ドラフト上位や主力用、70~89番台はコーチ枠、90番台は「空き番」扱い──という大まかな社内ルールがほとんど。外国人はシーズン途中に合流することが多く、低い番号が埋まっているため “余っている大きめの数字” を提示されるケースが多い。 -
選手側のリクエスト余地も大きい
「子どもの頃の憧れ」「メジャー時代と同じにしてほしい」など希望を伝えれば通りやすい。そこで パワーヒッター向け“縁起のいい数字” が自然に集中する。
2.助っ人に人気の“定番”番号とその由来
背番号 | よく選ぶタイプ | ルーツ・象徴 | 代表的なNPB助っ人例 |
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44 | 長距離砲 | MLBでハンク・アーロン、レジー・ジャクソンらが着用。日本でも「四(よん)四(よん)=“フォーフォー”→“フォース(力)”」と語呂が良く“怪力”のイメージ | ランディ・バース(阪神)、トニー・ブランコ(中日)など |
42 | パワー打者&投手 | ジャッキー・ロビンソンの永久欠番。MLBでは誰も付けられない分、NPBで「敬意を表して」身に着けるケース多数 | アレックス・カブレラ(西武)、フリオ・ズレータ(ダイエー→ソフトバンク)など |
99 / 55 / 77 など“ぞろ目” | スラッガー、リリーバー | 覚えやすくグッズ映え。米国で“エンジェルナンバー”と呼ばれ「成功・守護」の意味も | ネフタリ・ソト(DeNA #99)、エルネスト・メヒア(西武 #99)など |
00 / 0 | 俊足野手・技巧派 | “ゼロからのスタート”を好む、インパクト狙い | ルパート・ジョーンズ(阪神 #00・NPB初)、ジョシュ・レイビン(ロッテ #00)など |
13 | とくに気にしない外国人 | 欧米で“不吉”とされるが日本人より抵抗感は薄い | マイク・ブラウン(巨人 #13)ほか |
3.日本独自の“忌み番”と助っ人の自由
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4・9系(4/42/49など)
「4=死」「9=苦」の語呂で日本人選手が敬遠しがち。一方、外国人はこうした語呂文化に縛られず むしろ空いていて選びやすい。 -
13は逆に日本側が無頓着(西洋の忌み数)。助っ人の「別に気にしないよ」が通りやすい番号になっている。
4.“番号マーケティング”という視点
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背番号=ブランドロゴ
大きい数字ほどレプリカユニが売れ、ファンも識別しやすい。クラブ側も「44の新大砲」「42の守護神」と打ち出すため、入団会見であえて印象的な数字を渡すことがある。 -
ぞろ目と二桁同番の視覚効果
スコアボードや背中に並ぶ「99」「55」は遠目でも目立ち、放送画面やSNSでもアイキャッチ度が高い。これが再生産されて“人気番号→さらに着ける選手増加”の循環が起きる。
5.背番号利用の“化学変化”実例
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阪神 #44 → “バースの再来”の重圧と期待
以降の助っ人大砲は自動的に44を託され「バース越え」報道が定番に。 -
#42 のロビンソン・デーをNPBでも
MLBで4月15日に全選手が42を着ける姿を見て感銘を受けた選手が、翌年日本で自ら42を希望した事例も。 -
#99 本塁打王の系譜
西武メヒア→DeNAソト→オリックス杉本と、近年リーグ本塁打王が3年連続で99から誕生し“99=大砲”のイメージが強化された。
まとめ — “余りもの”から“憧れ”へ
背番号は単なる識別子ではなく、文化・マーケティング・個人のプライドが交差するシンボル。
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もともと「先着順で大きい数字しか残っていない」ことから始まった助っ人の高番号文化は、
MLBレジェンドの記号性+日本の忌み数+ファン商売 が混ざり合い、いまや一種の“様式美”になりました。 -
新外国人がどの数字を背負うかを見ると、球団の期待ロール(大砲か俊足か)や本人のルーツ が透けて見えるので、来季の入団会見もぜひ数字に注目してみてください。
甲子園「アルプススタンド」のネーミングの背景
長年にわたり、全国中等学校野球大会が甲子園球場で繰り広げられてきました。高校野球が人気を集める中、甲子園球場はその規模から「巨大球場」と称され、観客席の拡充が求められるようになりました。
1929年、観客数に応じて外野ファウルゾーンの東西にある木製スタンドが50段の鉄筋コンクリート製スタンドに拡張されました。その年の夏の大会では、新設されたスタンドが白いシャツを着た観客で満たされ、壮観な光景を見せていました。
この光景に触れた当時の新聞記者が、「高く素晴らしいスタンドは、まるでアルプスのようだ。頂上には永遠の雪があるかのよう」と表現し、その描写が新聞に掲載されました。
この表現がきっかけとなり、以降、内野席と外野席の間に位置する大観客席は「アルプススタンド」と呼ばれるようになり、その名が定着しました。
家族でのコミュニケーションを豊かにするコツ!
どうでしたか?聞いたことのあるトピックは含まれていましたか?
「雑学」は会話を盛り上げるだけでなく、知識を身につける楽しみも提供してくれます。子どもたちが親に引けを取らないよう、積極的に情報を収集する姿勢は、大変好ましい傾向です。これにより、野球への興味が一層深まるだけでなく、情報の見分け方を学ぶ能力も養われます。
家族それぞれが知っている雑学を出し合い、和やかな時間を過ごすのはいかがでしょうか。