走者がどの道を走るべきか、知っていますか?ベースを回る際の「三フィートルール」について学びましょう!

野球
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「三フィートルール違反でアウトになるって本当?」

この野球の特定ルールについて、あなたはご存じでしょうか?

野球には、知っておくと試合観戦がもっと面白くなるルールが数多くあります。その中でも、守備や走塁のプレーに大きく関わる重要なルールが「三フィートライン」および「三フィートルール」です。

一見するとマイナーなルールに思えるかもしれませんが、このルールは得点を左右するプレーや、アウトかセーフかの判定に深く関係する場面で登場します。特にプロ野球や高校野球など、レベルの高い試合になるほど、このルールが適用されるシーンを目にすることも多くなります。

本記事では、「三フィートライン」とは何か、そして「三フィートルール」が具体的にどのような場面で適用されるのかを、野球にあまり詳しくない方にもわかりやすく解説していきます。ルールの概要だけでなく、その背景にある意義や目的についても触れながら、図解や事例を交えて丁寧に紹介していきます。

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「スリーフィート」という単位について

アメリカでは、長さを表す際にメートル法(メートル・センチメートル)ではなく、ヤード・ポンド法が一般的に使用されています。その中でも特によく使われる単位の一つが「フィート(foot)」です。

「フィート(feet)」は、「フット(foot)」という単位の複数形であり、日常生活からスポーツ、建築、航空など、さまざまな場面で使われています。日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、アメリカではとてもポピュラーな単位です。

この「1フット(foot)」という長さは、メートル法に換算すると 約30.48センチメートル に相当します。つまり、30センチの定規より少し長いくらいの長さです。

そして、「スリーフィート(3フィート)」は、その名の通り3つ分のフットですので、

30.48cm × 3 = 91.44センチメートル

という計算になります。これは、だいたい 1メートル弱 の長さです。野球のルールで登場する「三フィートライン(three-foot line)」や「三フィートルール(three-foot rule)」も、この約91.44cmという距離を基準に定められています。

日本の感覚では「なぜこんな中途半端な単位が?」と思うかもしれませんが、アメリカの文化や慣習を理解するうえでは、この「フィート」という単位を知っておくことがとても大切です。

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野球における「スリーフットライン」とは何か?

特に野球で言及される「スリーフットライン(three-foot line)」とは、打者が打ったあとに一塁へ走る際に関係する非常に重要なラインです。これは、本塁(ホームベース)から一塁ベースに向かって引かれているファウルラインの外側、具体的には一塁までの途中の一定区間において、ファウルラインと並行に引かれている線のことを指します。

このラインとファウルラインに挟まれた幅およそ91.44センチ(=3フィート)の帯状のエリアは、「スリーフットレーン(three-foot lane)」と呼ばれます。このレーンは、一塁ベースの手前45フィート(約13.7メートル)地点から始まり、一塁ベースまでの間に設けられており、走者(バッターランナー)が一塁へ向かう際に通るべき「走行ゾーン」として定義されています。

このレーンの目的は、主に守備側の送球プレーを妨げないためです。たとえば、捕手が一塁へ送球する際、走者がフェアゾーン(フィールド内側)を走っていると、ボールが走者の体に当たったり、送球の妨げになったりする可能性があります。そうした状況を防ぐために、ルールでは走者がこのスリーフットレーンの中を走るように義務づけられているのです。

なお、走者がスリーフットレーンの外側を走り、かつ送球を妨害した場合には、「守備妨害(interference)」と見なされてアウトになります。ただし、たとえば一塁ベースにタッチするために一瞬だけラインを外れた場合など、すべてのケースが即アウトになるわけではなく、審判の判断によって判定されます。

このように、スリーフットラインとそれに囲まれたスリーフットレーンは、単なるラインではなく、試合の公正さを保つための重要なルール要素となっています。

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スリーフットラインは他のベース間でも重要?

実は、野球場で物理的に引かれているスリーフットラインは、本塁と1塁の間に限定されています。

しかし、1塁から2塁、2塁から3塁、そして3塁から本塁にかけての各区間においても、スリーフットラインに関わるルールが存在しています。

したがって、これらのベース間にも、実際には見えないが「仮想的なスリーフットライン」があると考えることが求められます。

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スリーフットラインの働きとランナーの走行コース

スリーフットラインは、野球での走者(ランナー)の正しい走行コースを指し示す重要な機能を果たします。

走行コースには主に2種類があります。それぞれを以下のように説明します:

本塁から1塁に向かう際の走行コース
1塁から2塁、2塁から3塁、そして3塁から本塁に向かう際の走行コース
特に、打者が本塁から1塁へ走る際は、「スリーフットレーン」内が指定された走行コースとなります。

しかし、これは打者走者がいつもスリーフットレーン内を走るべきという意味ではありません。

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「1塁から本塁への各区間での走行ルート」

本塁から1塁への走行ルートとは異なるアプローチが必要です。これは、1塁から2塁、2塁から3塁、そして3塁から本塁に向かう走行時に「挟殺プレー」が発生する可能性に起因します。

公式ルールでは、塁と塁を結ぶ直線から各3フィートずつ離れた範囲、合計で6フィート(約182.88センチメートル)の幅が走行ルートとして定められています。

例えば、プロ野球の試合で、次の塁に向かう際に大きく弧を描いて走る選手を見たことがあるでしょうか?

1塁側のスリーフットレーンと同様に、走者が常に指定された走行ルートに従うわけではありません。ただし、挟殺プレーの際に走行ルートを逸脱すると、アウトのリスクがあります。

この行為は「スリーフィートオーバー」と称されます。

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「スリーフィートオーバー」というルールの詳細

野球における「スリーフィートオーバー」とは、走者が守備側プレイヤーのタッグから逃れようとした際に適用される特別なルールです。走者がタッグを回避する過程で、定められた走路の範囲を左右3フィート以上逸脱したと認定されると、その走者はアウトになります。

タッグとは?

守備側のプレイヤーがボールを持って走者やベースに触れる行為を野球では「タッグ」と呼びます。英語では「tag」と表記され、日本語では「触球」とも言います。

スリーフィートオーバーの適用条件

「スリーフィートオーバー」のルールは、走者がタッグを避けようとする場合に限り適用されます。例えば、走路上に転がる打球を避けるために、走者が走路から3フィート以上離れた場合はルール違反にはなりません。

注意:走路上で走者が意図的に守備を妨害する場合は、守備妨害と判断されることがあります。

走者が予め走路外にいる場合

実際の試合では、走者がすでに走路を外れた状態で挟殺プレーが発生することがよくあります。この際、走者がタッグされた位置と目指す塁を結ぶ線の両側3フィートが新しい走路として考慮されます。

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走者の「走路」と「スリーフィートオーバー」のルールについてのまとめ

この記事では、野球における走者(ランナー)の「走路」の定義と「スリーフィートオーバー」というルールについて説明しました。

走者の「走路」のポイント

○ 本塁から1塁への走行時:
走路はファウルラインとスリーフットラインによって作られるスリーフットレーン内部
○ 1塁から2塁、2塁から3塁、3塁から本塁への走行時:
走路は各塁を結ぶ直線から左右3フィートずつ、合わせて6フィート(約182.88センチメートル)の範囲内

※ 注記:走者は必ずしもこの走路に沿って走る必要はありません。

スリーフィートオーバーの概要:

走者が守備側に追い詰められた際に、逃走範囲を制限するルール
走者が守備側のタッグから逃れる過程で設定された「左右3フィートの走路」を逸脱すると、審判はアウトとする

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